2026年8月の詐欺電話傾向と電話帳ナビの運用規模
電話帳ナビのアプリは、着信やSMSの受信、発信の際に電話番号を照合し、迷惑電話や詐欺の疑いがある番号を判定しています。本レポートでは、2026年8月の1か月間にどれだけの判定が行われ、どれだけの着信を防いだのかを公開します。今月は全体の判定数が前月から減った一方で、犯罪系と判定した番号の防御件数は増えました。あわせて、警察庁が2026年9月4日に公表した令和8年7月末時点の特殊詐欺の状況も紹介します。
電話帳ナビの累計実績ハイライト
電話帳ナビは20年以上にわたり、電話番号情報の蓄積と詐欺電話対策に取り組んできました。現在の累計実績と運用規模は以下の通りです。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 月間利用者数 | 3,000万人超 | Web+アプリの合算 |
| アプリ月間アクティブユーザー数 | 約340万人 | Android版+iOS版合算 |
| 累計番号識別実績 | 570億件超 | 2026年8月時点 |
| 詐欺電話ブロック実績 | 過去10年間で310万件超 | 直近10年間の累積 |
| 登録事業者数 | 約1,826万件 | 固定電話・フリーダイヤル・携帯・IP電話の合算 |
| クチコミ投稿数 | 約2,910万件 | 利用者からの投稿による集合知(2026年8月時点) |
事業者登録数約1,826万件、クチコミ投稿数約2,910万件は、利用者の皆様からの継続的な投稿によって日々更新されている、日本最大級のUGC(ユーザー生成コンテンツ)型データベースの規模を示しています。実在性が確認できる事業者番号と、利用者の実体験に基づく評価・情報が組み合わさることで、不審な電話を高精度で識別できる仕組みを実現しています。これらの数値は20年の継続運用と利用者の皆様のご協力により、現在も日々増え続けています。
電話帳ナビの月間運用規模
続いて、電話帳ナビアプリの月間運用規模をご紹介します。以下は2026年8月の参考値です。
月間着信判定数:約1億8,386万件
2026年8月の1か月間に、電話帳ナビのアプリが着信時とSMS受信時に照合した電話番号は、Android版とiOS版を合わせて約1億8,386万件でした。前月の約2億586万件からは10.7%減っています。8月中旬のお盆期間に着信そのものが減ったことが影響しているとみられます。
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| Android版 着信通話判定 | 約2,980万件 |
| Android版 不在着信・着信拒否判定 | 約2,628万件 |
| Android版 SMS判定 | 約1,747万件 |
| Android版 直接識別合計 | 約7,355万件 |
| Android+iOS 着信判定数合計 | 約1億8,386万件 |
これには通話成立時の番号照合、不在着信・着信拒否時の番号照合、SMS受信時の番号照合が含まれます。iOS版は仕様(CallKit)上、Android版と同じリアルタイム自動判定が技術的に制限されるため、Android版の実数値からプラットフォーム別利用者比率(iOS版がAndroid版の約1.5倍)に基づいて推計し、合算しています。
月間2億件規模の判定処理は、電話帳ナビが日本の電話番号識別における社会的インフラの役割を担っていることを示しています。利用者一人あたり1日に複数回の判定が行われている計算となり、見えないところで詐欺・迷惑電話への自動的な水際防御が機能しています。
月間防御件数:注意系 約334万件
電話帳ナビでは、不審な電話番号を以下の2つに分類して管理しています。
- 犯罪系
- 過去に詐欺・違法行為への利用が確認されている、または公的機関・捜査機関により犯行利用と特定されている電話番号。
- 注意系
- 犯罪利用の可能性が高いと判断される電話番号、または利用者からの危険報告が一定基準以上集まっている電話番号。営業・勧誘・自動音声・国際電話なども広く含みます。
このうち、注意が必要と判定して利用者に警告を表示した件数は約334万件でした。さらに、犯罪性が高いと確定的に判定した番号の防御件数は84,006件で、前月の80,941件から3.8%増えています。
| 区分 | 2026年8月の防御件数 |
|---|---|
| 注意系 防御件数 | 約334万件 |
| 注意系のうち犯罪性が高いと推定される件数(注意系×7%) | 約23万件 |
| 犯罪系(確定)防御件数 | 84,006件 |
| 犯罪+犯罪相当 合計防御件数 | 約32万件 |
全体の判定数が10.7%減るなかで犯罪系だけが増えたことになります。着信の総量が減っても、犯罪性の高い電話は同じようには減らなかったという結果です。注意系のうち犯罪に利用される可能性があるものを社内推計(7%)で加えると、8月の防御件数は約32万件、1日あたり約10,258件になります。
犯罪系と犯罪相当を合わせた防御件数は、1日あたり約10,258件になります。前月の約10,700件からはわずかに減りましたが、依然として毎日1万件を超える着信を防いでいる計算です。
発信時の番号判定:月間 約8,012万件
電話帳ナビのアプリは、利用者が発信するときにも番号を照合し、相手が注意の必要な番号であれば画面に表示します。2026年8月の発信時判定は、Android版とiOS版を合わせて月間約8,012万件でした。
| 項目 | 件数(2026年8月、Android+iOS推計) |
|---|---|
| 発信時 番号判定合計 | 約8,012万件 |
| うち犯罪系番号への発信 | 約2万2千件 |
| うち営業/勧誘番号への発信 | 約78万9千件 |
| うち注意番号への発信 | 約60万3千件 |
| うち国際電話発信 | 約8万7千件 |
このうち、犯罪系と判定された番号への発信が約2万2千件、営業・勧誘の番号への発信が約78万9千件ありました。国際電話への発信は約8万7千件で、前月の約5万7千件から増えています。心当たりのない国際番号への折り返しは、高額な通話料が発生する場合があります。
2026年8月の特殊詐欺の動向
被害額は2,108.1億円、前年同期比4割増
警察庁が2026年9月4日に公表した令和8年7月末時点の暫定値によると、特殊詐欺の認知件数は26,051件、被害額は2,108.1億円でした。前年同期と比べて認知件数は3,709件(16.6%)、被害額は632.8億円(42.9%)増えています。件数の伸びより被害額の伸びが大きく、1件あたりの被害が大きくなっていることがうかがえます。
SNS型投資詐欺が被害額で最多に
手口別で被害額が最も大きかったのはSNS型投資詐欺で881.2億円、前年同期比88.6%増でした。認知件数も6,566件と75.6%増えています。前回のレポートで紹介した令和8年上半期の時点では、ニセ警察詐欺の被害額が最も大きい状況でしたが、7月末時点ではSNS型投資詐欺が上回りました。SNSの広告やダイレクトメッセージから接触し、投資に誘導する手口が広がっているとみられます。SNSや広告から番号を入力させ、後日電話をかけてくる手口については、海外からの着信報告が多い国番号ランキング(2026年8月版)でも国番号ごとの傾向を紹介しています。
ニセ警察詐欺は認知件数が前年同期比で減少
一方、ニセ警察詐欺の認知件数は5,422件で、前年同期から368件(6.4%)減りました。ただし被害額は617.1億円と25.7%増えており、1件あたりの被害額は大きくなっています。件数が減ったことをもって収束したと考えるのは早く、電話で警察官を名乗る連絡には引き続き注意が必要です。電話帳ナビに寄せられた報告で8月に注目された番号は、迷惑電話アクセス数ランキングTOP100(2026年8月版)で確認できます。
国際電話を起点とする特殊詐欺の継続
令和5年7月以降、国際電話番号を利用した特殊詐欺が急増しており、この傾向は2026年8月時点でも継続しています。国際電話を日常的に利用しない方は、固定電話・携帯電話ともに国際電話の利用休止を申し込むことで、犯人からの電話を直接受けないという対策が有効です。NTT東日本・西日本では固定電話の国際電話休止手続きが簡素化されており、また国際電話不取扱受付センターでも申し込みを受け付けています。
不審な電話を見抜くために
電話帳ナビでは、知らない番号からの着信に対して以下の対応を推奨しています。
電話番号を電話帳ナビで検索
知らない番号から着信があったら、まずは番号を電話帳ナビで検索してみてください。累計570億件超の識別実績と約2,910万件のクチコミ投稿から、その番号がどのような目的で使われているかを確認できます。営業電話、自動音声、配送業者、公的機関など、多くの番号には実体験に基づく情報が蓄積されています。スプーフィング(発信者番号偽装)によって着信画面に表示された番号が偽装かどうかも、電話帳ナビでの検索と実際の組織への確認電話を組み合わせることで見抜けます。
電話帳ナビアプリの着信時自動表示機能を活用
毎回検索するのが手間な方には、電話帳ナビアプリの着信時自動表示機能の利用が便利です。アプリをインストールしておけば、知らない番号からの着信時にも自動で発信元情報を画面表示し、必要に応じて警告や遮断を行います。最近では、知らない番号への対応を「着信時に自分で検索する」から「アプリによる自動表示で即座に判断する」へと移行する利用者が広がっています。
少しでも不審に感じたら、まず電話を切る
電話で個人情報や金銭の話が出たら、まず一度電話を切ることが最も重要です。「お金」「カード」「還付金」「口座」「暗証番号」「捜査協力」「口座凍結」といったキーワードが出てきたら、その時点で警戒すべきです。一度電話を切って家族や警察相談専用電話(#9110)、消費者ホットライン(188)に相談してから対応してください。
データ集計について
本レポートの数値は以下の方針で集計しています。
- 集計対象:電話帳ナビアプリ(Android版・iOS版)における着信時・SMS受信時・発信時の番号照合判定
- 集計期間:2026年8月1日から8月31日(31日間)
- iOS推計:プラットフォーム別利用者比率に基づき、Android版実数値の1.5倍をiOS版推計値として算出
- 犯罪相当係数:注意系判定のうち犯罪利用される可能性のある電話番号の割合として7%を適用(社内推計値)
- 累計指標:累計番号識別実績・登録事業者数・クチコミ投稿数等は、サービス開始以来の累積値
連載の次回予告
次回の月次実績レポート(2026年9月分)は2026年10月中旬に公開予定です。引き続き電話帳ナビの最新の運用規模と詐欺電話の動向をお伝えしてまいります。
関連リンク・参考情報
- 消費者庁「STOP!特殊詐欺」
特殊詐欺の最新手口・被害事例・対策情報を公開しています。 - 国民生活センター 消費者ホットライン「188(いやや)」
消費者トラブルに関する相談を全国共通の電話番号で受け付けています。 - 警察相談専用電話「#9110」
緊急性のない警察相談は、110番ではなくこちらの番号へ。